MEMENTO C CONTACT

音楽劇 囚われの女たち

Musical : Life of Women in Prison

 

 

 

 

 

 

山代巴の戦前と戦中の獄中の自伝的小説『囚われの女たち』(径書房)より

 

 

INFORMATION

2025.12.23

特設ホームページを開設しました。

囚われの女たちチラシ表

 

 

囚われの女たちチラシ表

 

 

 

 

 

囚われの女たちチラシ裏

 

 

 

 

 

概要

山代巴の戦前と戦中の獄中の自伝的小説『囚われの女たち』(径書房)より

美術家でありながら、戦時中の川崎の京浜工業地帯で女工として働き、「星の世界」のサークル活動を行った時代と治安維持法幇助での検挙、判決後の広島県三次刑務所時代を中心に、山代巴の半生を初めて舞台化する。

ガラス工場で働く女工たちとの「星の世界のノート」を通じた勉強会や、刑務所での女囚や看守との交流から生まれたどん底の女性達の連帯は、戦争という極限状態で、山代の命がけの抵抗と葛藤の中で生まれた希望でもある。

山代巴のお互いの生き方を尊重する人権への優しい目線、女性の解放や平和への強い願いを、音楽劇を通して描き出す。

 

和歌山刑務の和歌山編は、今後制作予定。

劇団民藝「聴衆0の講演会」からスピンオフした作品

 

<出演>

名前をクリックするとプロフィールが見れます。

イメージ

村中玲子

(J-clip)

イメージ

羽真侑李

(オフィスエルアール)

イメージ

幸はるか

(劇団民藝)

イメージ

三澄凪彩

(オフィスエルアール)

 

<山代巴 プロフィール>

1912年(明治45年)6月8日 - 2004年(平成16年)11月7日

作家 女性解放運動活動家

広島県芦品郡栗生村(今の府中市栗柄町)に生まれ、女子美術専門学校に進むも、プロレタリア美術や労働運動に目覚めて中退する。

共産党に入党し、治安維持法幇助で逮捕される。有罪判決を受け、広島県三次刑務所と和歌山刑務所で懲役刑を勤め、敗戦直前に病気のため、刑の執行停止を受けて釈放された。

しかし、夫の山代吉宗は広島刑務所で獄死する。

戦後、独り生き残った山代巴は、尾道市立図書館館長の中井正一に大きな影響を受け、農民文化運動に身を投じる。

広島の農村女性の個人史の聞き書きや、小説『荷車の歌』、中井正一の母を描いた『千代の青春』、原爆被害者のルポ『原爆に生きて』『この世界の片隅で』などで知られる。

2004年に東京都で没する。

公演情報

<会場> シアターX(カイ)東京都墨田区両国2-10-14 両国シティコア1F

<期間>

2025年3月07日 (土) ~2025年3月08日 (日)

<公演日・開演時間> 開場は、開演の30分前

3月07日(土)18時半 4,000円

3月08日(日)12時 4,000円

<チケット>2026年1月05日10時~発売 コリッチ舞台芸術!チケット情報

作・演出・音楽:嶽本あゆ美メメントC

あらすじ

幕開きは東京の裁判所で、東京地裁での山代巴(関根麻帆)の裁判が行われる。

 

山代巴 「一九四〇年五月十一日、その日は朝刊に、鉄兜をかぶったヒットラーの兵隊が、オランダのチューリップ畑の中で、機関銃を構えている写真が出ていました。その朝、私は突然逮捕され、今、裁判を受けています。」

 

女子美術専門学校を中退し、労働運動に飛び込んだ巴は、思想や反戦運動の挫折の中、山代吉宗(末武あすなろ)と出会い結婚する。吉宗は磐城の炭鉱主の息子で、自分の炭鉱で労働運動をし、株主らから訴えられ秋田刑務所に収監された。そこから再度立ち上がり、自由と平和、個人の人権を大事にする活動を監視の目を避けながら行っていた。

二人は結婚すると、ナチスに対抗するフランス人民戦線の様に、文化の力で平和を訴えて行こうと決意する。

夫婦となった二人は川崎の京浜工場地帯に住み込み、それぞれ職工や女工として働きながら、職場でサークル活動や勉強会などの文化活動を通じて二人は労働者の中でもまれていく。

巴は、就職したガラス工場で、沖縄から出稼ぎに来ている少女たちや、若年の女工(三澄凪彩・幸はるか・斎藤凜・稲葉心音・米澤文音)らと出会い、料理や裁縫の勉強会、読書会のサークル活動を始める。しかし、次々と少女たちが、過労と環境の悪さから病に倒れていく。

読書会や「星の世界」のノートでの勉強をする中、女工の中では連帯感が芽生え、少女たちは自分たちの人権を知り、過酷な労働環境の待遇改善を現場担当者らに要求するようになる。しかし巴も少女らも結核に侵されて職場を去ることとなる。ひとりの少女、トキエは、若くして亡くなってしまう。

次第に治安維持法の弾圧は最高潮となり、巴や吉宗らのサークル活動も、治安維持法幇助とみなされて逮捕される。巴も二年以上の拘留、裁判ののちに有罪を宣告される。判決の結果、巴は生まれ故郷にほど近い、広島県三次刑務所に送られる。

三次刑務所では、思想犯である巴を極度に警戒し、所長の成田(村中玲子)や松田教誨師(茂木 理)、看守(羽真侑李・寿帆涼・凜果)らが断固とした処遇をする為に結束している。巴は緋色の囚人服を来て、拘置館の独房に収監される。

刑務所での巴の襟番号は二十三番。名前をなくし番号で呼ばれる世界で、彼女はたくさんの女たちと出会う。

 

山代巴 「あの人たちは、本当に悪人でしょうか?」

 

女囚たち(大沼美和子・下川瑠美・美葉・斎藤凜・簑手美沙絵・他)貧困、虐待、女性の人身売買の果てに罪を犯してこの刑務所にたどり着いた女たちの影、声、嘆きが夜な夜な聞こえてくる。

巴がこれまでに出会ったことのない女たち、それぞれが事情を抱えて、この刑務所に囚われた。また看守たちも同様に、監獄で労働する「囚われの女たち」である。

悲しさ、辛さが押し寄せる巴を、母・イクノ(観世葉子)の手紙が癒していく。娘を恥じることなく、支えようとする父母の愛に、巴は今更ながら感謝するのだった。

そして、夫・吉宗の言葉を思い出す巴。

 

吉宗 「僕はあのヨーロッパ人民戦線の呼びかけに希望を持ち続ける。ナチスドイツに抗おうと、文化人たちが諦めるなと、民衆に呼び掛けている。きっと、戦争をヒューマニズムが押し返す日が来る。」

 

巴 「それまで、私が私であることを愛するように、あなたがあなたであることを愛する」ことを止めないわ。

 

三次女性刑務所での巴の襟番号は二十三番。全員が、襟番号で呼ばれ名前を知ることもない。多くの女囚は窃盗や殺人、放火などの罪状により懲役刑となっている。

思想犯は最も悪行とされ、独房に入れられ、取扱も厳しい。女性看守らは竹刀をもって絶えず点検が行われる。そんな辛い日常の中で、巴は女たちを絵に描くように観察する「目」を取り戻す。

彼女らの、幾つもの悲しい物語を知る中、巴は必ず生きて監獄から出ようと決意を固める。

巴と同じ独房に入れられた女囚七十二番(佐渡寧子)は、気がふれていて絶えず唄を歌っている。よく聞いてみるとそれは一つの物語で、彼女の受けた残虐な仕打ちとその結果の悲惨な放火殺人が語られる。

やがて夫・吉宗からの手紙が届く。それを検閲する井川看守長(羽真・寿帆)は、次第に吉宗と巴の愛情に影響されていく。「愛する巴」「愛妻の巴」で始まる手紙での愛情表現や、広い世界の情報や学問について語る手紙は、初めて聞くような言葉で溢れている。

看守長、自の愛への渇望に気付き始める。看守たちは、吉宗からの手紙に興味を惹かれ、心待ちにするようになってしまう。

しかし、思想矯正を担う松田教誨師や、刑務所所長は簡単には巴の転向を認めようとしない。そればかりか、教誨師は「吉宗と離婚すれば、仮釈放が早まる」と説教する。どれほど説教されても、吉宗と離婚する気にはなれない巴は、教誨師の不興を買い、仮釈放の道が遠くなる。

教誨師は、「インテリであるなら、国策に協力するべきだ、それが親孝行でもある、夫も喜ぶのだから、と強い調子で説く。」

所長は巴に、生きてここを出ることの重要さを説く。しかし、巴は頑なに拒む。所長は、この三次刑務所は女だけで全てを回し、ある意味行き場のない女の受け皿になっていることを説明する。

巴は自分自身が女囚に偏見を持っていたことに気づく。巴は偽りの転向をして、仮釈放になるべきか悩む。母からの手紙には、父の容体の悪化や、母の苦労が偲ばれる。

アメリカとの戦局は切迫し、刑務所の方針も変わり始める。

末森看守(凜果)は、夜中に週刊朝日の記事を山代にそっと見せるほど、巴と友情を育んでいた。

 

末森看守 「二十三番、二十三番、週刊朝日にスターリングラードでナチスが負けたって…あんたの言う通りじゃけえ、うちは騙されとったんじゃね。」

 

井川看守長 「今日の新聞じゃあ、タラワ島もマキン島の守備隊も全滅しとる。ラバウルはもう駄目じゃ。都会にある官庁には地方疎開の命令が出ている。三万人の官吏の行政整理が始まっとる。東京の一般市民の疎開計画も決まった。誰にもいえんが、23番、日本は負けよるんよ。内緒だが、ここの女囚はみんな和歌山へ集められる。」

 

正月の空気の中、巴は松田教誨師に呼び出される。もしも、離婚を承諾すれば、和歌山に送られずに、仮釈放が受けられるとささやく教誨師。そしてこれが最後のチャンスになる。だから吉宗と離婚して自由を掴むのだと諭す松田。しかし巴はそれを断固として拒む。

やがて和歌山刑務所への移送の日、別れが来る。女囚と付き添いの看守らは、連帯を胸に広島を旅立っていく。

 

*上演時間 1時間30分を予定

*和歌山編は、2026年度本公演にて上演致します。

*山代巴著「囚われの女たち」径書房を底本に著作権継承者から許諾を得て制作致します。

チケット情報

ミモザフェスタチケット(「囚われの女たち」他)のお申込み方法

2026年1月5日10時~発売

<チケット> コリッチ舞台芸術!チケット情報

あるいは、mementocdefg@gmail.comまで、①お名前②ご希望日③枚数④ご関係のご出演者などをお報せください。折り返し、返信いたします。

<ご注意>

*自由席となります。

*単券3000円、4000円、2回又は2演目券6000円は、当日窓口でのご清算、お受け取りをお願いします。

*郵送ご希望の方は、事前振込と郵送料をご負担いただきます。その際には、必ず備考欄にチケット送付先をご記入ください。

*フリーパス、寄付付きチケットは事前清算となります。

問合せ

 メメントC 嶽本

 E-mail:mementocdefg@gmail.com

 またはこちら

PAGE TOP